「100年に一度の大不況」と言われる状況の中で,製造業のトップから「これまでのビジネスモデルでは対応できない」といった言葉が聞かれるようになった。例えば,円高が進んで日本で生産した製品を輸出する事業が成り立ちにくくなったり,世界的な需要の落ち込みによって日本で開発した単一機種の製品を世界で同時立ち上げするモデルが通用しなくなってきたのである。もちろん,日本の強みは日本国内で培ったものづくり能力であるが,それを活かしたうえで「日本発」の発想からいかに脱却するかが求められている。 中でも印象的だったのは,シャープ代表取締役社長の片山幹雄氏が,この4月8日に開いた経営戦略説明会で,中長期的な考え方として,「日本からの輸出はもはや,最先端の産業であっても困難な状況であるという認識に立って,従来のオペレーションを抜本的に見直していきたい」と発言したことである(シャープの広報サイト)。 「秘伝のたれ」