首都圏に住む大学生に地方の農家が米を送って食生活を支え、大学生は農作業を手伝う。奨学金ならぬ、「奨学米」と呼ばれる取り組みが広がりつつある。農業や食への関心を深める学生と、将来の販路拡大をちょっぴり期待しながら交流を楽しむ農家。遠く離れた支え合いが続く。 東京都杉並区に家族とともに暮らす女子栄養大学3年の牧野瑠璃(るり)さん(20)。6月、自宅で炊いて食べていた米は、スーパーなどで買ったものではなかった。米農家から直接受け取ったコシヒカリだ。 送り主は、新潟県境にある福島県只見町の菅家(かんけ)大和さん(36)。米販売店も営む菅家さんが米を数十キロ提供する代わりに、牧野さんは年数回、菅家さん宅に2泊ずつして農作業を手伝うことになっている。