布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。 こう云う著者の書籍が出版された。大阪刑務所9年、千葉刑務所22年という経歴で刑務所の中での体験を「彼らが何を語り、私はどう思ったか。私はそれをなるべく客観的に記したつもりである」と言う。そして、編集者の「塀の中で何を見て来たのかを記録として残して下さい」と言われたともある。更に「受刑者たちの真実の姿はそのほとんどが書きにくいことばかりだ。だが作りごとを書いてもしかがたない」と言い、この書籍が真実のみを書いたものであるかのようなまえがきが記されている。 俺たち布川事件についても、わざわざ一項を使って書いているので買って読んだ。『「布川事件」桜井と杉山の反目』と言う表題が俺たちらしいけど、書かれた中身は嘘っぱちだ。「はっきりと言えることは、いまでこそ彼ら2人は手を握って闘っているが、公