韓国と北朝鮮は現在も休戦中だ。北緯38度線付近には両国を分断する軍事境界線があり、そこから南北に2キロメートルずつが非武装中立地帯となっている。だがこのところ、軍事境界線に張り巡らされた鉄柵を乗り越え、韓国に亡命する北朝鮮軍兵士が相次いでいる。 中でも、10月2日に発生した北兵士の亡命事件は韓国軍の警戒態勢の甘さを露呈することになり、大きな問題へと発展した。 その兵士は、9月29日に所属していた江原道高城郡雲田里の部隊から離脱。近くの山に2日間潜伏すると、10月1日から金剛山のハイキングコースと鉄道線路を辿りながら50キロ南下した。2日午後20時に北朝鮮の鉄柵に到着すると、それを乗り越えて韓国側に向かい、韓国側の鉄柵を3つ乗り越え、23時過ぎに韓国軍の哨戒所入り口に到着。哨戒所のドアをノックし、亡命意思を伝えようとした。 しかし、韓国軍は戸を叩く音どころか、北兵士の侵入にすら気づいていなか