昨年8月20日、世界的に著名な米国の物理学誌「Physical Review Letters」に、「Hall Effect of Light」という論文が掲載された(*1)。この論文は、レンズや光学機器の設計などに古くから使われてきた幾何光学の基礎方程式が拡張されるという内容を持ち、それは、「スネルの法則」と呼ばれる教科書でもおなじみの基本的な反射・屈折の法則が補正を受けることを意味している。 今までのスネルの法則によると、光の入射、屈折、反射を考えたとき、その3つの光線は、同一平面上にあるということが法則の一つとされていた。しかし、今回発見された法則によると、光の偏光の性質により、入射光、屈折光、反射光は同一平面上ではなく、入射光に対して屈折光、反射光が横にずれる、という現象が起こることが示された。今までこれが明らかにならなかった理由は、通常はそのずれの程度は波長程度以下であり、目立たな