※本稿は、the pageに掲載されたものです。 「与党300議席を超える勢い」――公示二日後の各紙の一面でこんな言葉が躍っている。こうした数字についての大々的な報道が、いとうせいこう氏が言うような、人々が「ある種の「政治不信というキャンペーン」によって「無力」さを刷り込まれ」るために行なわれているのか、それとも全く何の確たる意図なしに行なわれているのか、私にはわからない。いずれにせよ予測されるのは、投票率が戦後最低となった前回(2012年、59.32%)を下回るであろうことだ。そして、投票率が下がるほど、組織票を握る与党陣営は有利になる。 メディア上で頻繁に語られる低投票率の理由のもっともらしい説明はいくつもある。いわく、「大義なき解散」、「争点なき総選挙」。どちらの理由づけも本質的に間違っているのだが、現在の国民の気分を何となくそれなりに反映していることも確かだ。 上記二つの理由づけは