印刷 廃線となった高千穂鉄道(TR)の車両を利用した宮崎県日之影町の「TR列車の宿」が、開業から1年あまりが過ぎ、好調だ。当初見込んでいた大人の鉄道ファンよりも家族連れに人気があるという「誤算」もあったが、夏休み中は満室で断らざるをえない日も出ている。 「次は日南です。お客さま、きっぷを拝見します」。宮崎県日南市から家族4人で泊まりに来た水尾祈星(きせい)君(6)は、列車の宿でおばの美紀恵さん(46)らを相手に車掌ごっこを楽しんだ。 臨場感は抜群だ。車窓や釣り棚はそのままで、4人部屋には運転席や運賃箱も付いている。運転席に座った祈星君は運転用のレバーを握って「楽しいっちゃ」と笑った。 列車の宿はTRが廃線となった翌年の2010年4月、日之影町が約4300万円をかけてオープンさせた。6両あった車両のうち、「せいうん号」と「かりぼし号」を無償で譲ってもらって改造。部屋は1人用から4人用