インターネットを単なるネットワークの技術ととらえるか、人々のコミュニケーションを根本的に変える可能性のあるツールと期待するのか、社会に変革と混乱をもたらす諸刃の剣と警戒するのか。社会学者から政治家に至るまで、発言者は枚挙に暇がないが、それぞれの立場や理解力や許容度の違いがこれほど異なる評価を産むこと自体、インターネットという「新技術」と、旧来の「現実社会」との抜き差しならない関係を改めて認識させられる。 その中で本書は「アーキテクチャ」と「生態系」を新たなキーワードとして、インターネット上のさまざまなソーシャルウェアの隆盛を、そして日本社会を読み解いている。ちなみにソーシャルウェアとはインターネット上で提供されているサービスやコンテンツのことで、「グーグル」や「ニコニコ動画」「2ちゃんねる」や「ケータイ小説」まで幅広く分析している。 「アーキテクチャ」という概念はあまりなじみのないものだが
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