中国は高速鉄道建設に関してインドネシア政府に財政負担や債務保証を要求しない条件を提案して日本を退けた。日本政府にとっては理解しがたい条件だが、中国には綿密に計算された長期戦略があった。何が起きていたのか? ◆ジョコ大統領に目をつけた習近平国家主席一般に誰が考えても、相手国の財政負担はゼロで債務保証も要求しませんという慈善事業のような形でプロジェクトを請け負うことは理解しがたいことだ。 しかし、中国はちがう。 インドネシア政府による支出はなく、債務保証もしなくていいという、考えられないような条件を提示したのだ。本当にそんなことが実行されるのなら、飛びつかない国はないだろう。 日本政府は「理解しがたい」と遺憾の意を表したが、中国流外交戦略は「計算」の仕方が違う。 まず2014年10月20日、庶民派のジョコ・ウィドドが大統領に就任すると、習近平国家主席はいち早くジョコ大統領に目をつけた。 ジョコ
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