「ここには、どうやって行けばいいのか」。夕方、私が県庁近くを歩いているとアジア系の男性外国人に呼び止められることが最近続いた。行き先は県庁の最上階の展望ホールという。身ぶりで直通エレベーターを教えると笑顔で去った。 彼らの目的は、ホールの内側から地上50メートルの夜の窓ガラスに鮮やかな光と映像を投影するプロジェクションマッピングの見学だ。県が夜の観光資源を増やそうと2016年7月に始めた。3年目の今回は武雄温泉楼門(武雄市)や九年庵(神埼市)など県内の伝統ある建造物が、過去から未来にタイムトラベルするという物語になっている。 県は当初、日本人客に夜の飲食店に繰り出してもらう狙いだった。しかし、個人客はもちろん、日によっては数十人の外国人団体客が乗ったバスが県庁前に到着して見学に訪れる。展望ホールで案内係を務める平野利佳さん(48)は「昨年あたりから明らかに増えた」と驚く。 ◇ ◇ 県