この8月10日、昼過ぎ。京都市のはずれにある町工場で、ささやかなバーベキューパーティーがあった。社員や社長たち、あわせて10人ほどが、肉や野菜を味わい、笑いあう。 CDコンポから昭和の歌が流れる。いちばん若い社員で45歳だから。翌日から1週間の夏休みだ。 会社の名は「MDプレス工業」。MDはメイキング・ドリーム、夢をつくるぞとの思いがこもる。業務はプレス。金属の型をはめた機械で圧力をかけ、金属板などを加工する。 ガチャン、ガチャン、ガチャン……。 1回のガチャンで数円になる。ここは、7月に稼働をはじめたばかり。7台ある機械はフル稼働中。おおくが大量生産の仕事だ。 でっかいメーカーが生産拠点を海外に移す「産業の空洞化」。その進行で、日本から町工場が消えてきた。なかでも、付加価値が高いとは言いにくいプレスの工場は、倒産や廃業があいついだ。 さらに、機械などの設備をそろえるのに、カネがかかる。だ
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