予讃線の旧線から瀬戸内の絶景を臨む観光列車「伊予灘ものがたり」、新型特急「いしづち」――。JR四国(高松市)が来年に投入する列車の個性的なデザインを担ったのは、建築畑が長い社員の松岡哲也さん(45)だ。鉄道車両のデザインはメーカーなどの専門家が手がけることが多く、社員が担当するのは珍しいという。松岡さんは「プレッシャーは大きいが、工夫を凝らした列車を通じ、四国のPRに役立ちたい」と話す。(花田祥瑞) 来年6月に運行を始めるいしづちは、蒸気機関車をモチーフにした正面の円形の造形と、愛媛特産のオレンジ、香川のオリーブの緑色の塗装が特徴だ。古いディーゼルカーを改修し、7月から走る予定の伊予灘ものがたりは、夕日をイメージしたあかね色と、特産のかんきつ類にちなむ黄金色で彩る。 「四国自慢の景色やフルーツを思い描きながら考えた。素人だからこそ、他にはない色や形を生み出せたと思う」と手応えを話す。 松山