聴覚障害を装い障害年金を詐取した事件で、詐欺や虚偽診断書行使の罪に問われた受給者で北海道上富良野町の無職、遠藤栄光被告(60)の初公判が8日、札幌地裁で開かれた。被告は起訴内容を認め即日結審。検察側は懲役2年を求刑し、弁護側は「被害弁済が済んでいる」として執行猶予つき判決を求めた。 被告人質問で「友達から勧められた。高速道路が割引になると聞き、安易な気持ちで病院に行ってしまった」と身体障害者手帳を取得した経緯を述べた。医師の前田幸●(=日の下に立)被告(74)が診察時「聞こえるんだね」とつぶやいたことや、年金取得の謝礼に社会保険労務士香田清被告(68)に20万円渡したことも明らかにした。 起訴状によると、被告は前田医師らと共謀。聴力を偽って記載した診断書を社会保険事務所に提出し平成19年9月〜20年2月、計約155万円を詐取したとしている。