熊本地震は、国が約20年にわたり進めてきた活断層の評価や地震への備えに課題を突きつけた。知られていた活断層でも実際の地下構造は複雑で、事前評価と異なる場所に断層のずれが起き、被害をもたらしたとみられている。想定より小さな地震の後に続く地震の予測にも限界があり、警戒をどう呼びかけるのか手探りが続く。 「阪神大震災以降の活断層評価と対策の妥当性が厳しく問われるべきだ」。5月下旬に千葉市であった地球惑星科学連合大会では、熊本地震の最新報告と今後の検証課題が語られた。 1995年の阪神大震災を活断層がもたらしたことから、国は主要活断層帯の調査を進めてきた。その後起きた大きな地震の多くはほかの活断層や未知の断層が震源だったが、今回は主要活断層として警戒されていた布田川(ふたがわ)断層帯・日奈久(ひなぐ)断層帯で起きた。 国の地震調査委員会はこの断層帯を6区間に分けて地震を想定。4月14日のマグニチュ