スマートフォンのiPhoneが日本に初上陸した2008年。さまざまなことが手の中の端末一つでできるようになっていく時代に、一つのことしかできない電子文具が誕生した。 「キーボードで文字を打つだけなの?」 奇抜な企画案が経営陣を驚かせた。事務用ファイルやラベルライター「テプラ」などを手掛ける文具メーカーのキングジム(東京)が2007年に開いた商品開発会議でのことだった。 それは、キーボードに白黒の液晶が付いただけのシンプルなデジタルメモだった。 コンセプトは、重いノートパソコンの代わりに手軽に持ち運びができる文字入力用の端末。出張中の会社員らが新幹線や飛行機の中でアイデアをまとめたり、会議の議事録を書いたりするのに使える。 企画を会議に上げたのは、当時、電子文具開発部のリーダーだった立石幸士(たかし)さん(49)。「B5判のノートパソコンを携帯していたが、1キロ近いものを持ち歩くのが苦痛だっ
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