都内の事務職の女性(31)は2年ほど前、付き合っていた男性と銀座のカフェで向かい合った。結婚に向けて準備が進んでいた時期。前日、電話で「姓を変えたくない」と打ち明けた。幼い頃から「『嫁』にはなりたくない」という思いが強く、女性に偏る改姓に疑問を抱いていたからだ。男性を前に、4時間かけて思いを告げた。 話し合いの後、男性の提案で事実婚に。だが、男性の両親は激怒した。母親から「あなたは彼女に洗脳されているのよ!」と言われた、と聞いた。 さらに問題が。夫の勤め先は事実婚を「結婚」と認めなかった。結婚祝い金や結婚休暇、毎月4万円の住宅手当も対象外だった。事実婚の夫婦であることを記した公正証書を作り、会社に提出したが、認められなかった。「経済的な損が大きすぎる」。やむなく昨年11月、婚姻届を提出。男性側が改姓した。 姓を変えることに大きなためらいはなかった夫。だが、実際に姓が変わると、旧姓との使い分
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