暴力団の資金源になることが多かった露天商を、地域の祭りから排除する動きが広がっている。事業者に暴力団との商取引を絶つよう求める暴力団排除条例が10月1日、東京都と沖縄県でも施行され、全都道府県で出そろう動きに沿ったものだ。ただ、豊富な出店のノウハウを持つ露天商なしに祭りの活気を演出するのは難しく、東京都内の祭りでは、一度排除した暴力団と関係のある露天商を再び呼び戻すケースもあった。警察関係者も「地域に巣くう暴力団の影響排除は簡単ではない」と頭を悩ませている。 毎年夏に都内有数の繁華街で催される大規模な祭りでは、数年前、警察の要請で、露天商の締め出しを試みた。出店はすべて地域住民。暴力団関係者はすっかり姿を消したが、祭りにやってきた観光客から寄せられたのは「以前に比べて物足りない」という否定的な声だった。 ほとんど素人ばかりの住民の出店は、運営もぎこちなく、今ひとつ活気がなかったことが原因だ