財政破綻した北海道夕張市の再生に向け、国、道、夕張市の3者が再建計画を見直すことで合意した。財政再建一辺倒ではなく、市民負担の軽減や若者の定住促進などの取り組みも実施できるよう転換する。 長期にわたり市民に負担を強いる現行計画は多くのひずみを生んだ。急な人口減少へ対応を迫られる夕張は、今後の地域再生のモデルともなり得る。国は必要な財政支援の枠組みを早期に示すべきだ。 炭鉱閉山で主力産業を失った夕張市は観光振興策の失敗や借金隠しなどで巨額の債務を抱え、破綻した。2007年から国の管理下に置かれ、26年度末まで300億円を超す借金を返済する。 市税の割り増しや、東京23区より広い市域で小学校を1校に統合するような経費圧縮で返済を続けた。だが「最高の負担、最低のサービス」と言われる中で人口減少は加速している。07年に約1万2550人だった人口は9000人を割り、自治体の持続が危ぶまれている。 3