韓国で活動するチャン・リュル監督が福岡ロケで撮影し、ベルリン国際映画祭やアジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映された映画「福岡」が、日韓関係悪化の影響を受け、両国で劇場公開の見通しが立たないままになっている。日韓の長年の文化交流が実を結んだ作品で、関係者が上映の機会を探っている。 「映画を撮ったのは、福岡の街になじみ、もっと知りたいと思ったからです」 9月15日、福岡国際映画祭での「福岡」上映後のシンポジウムで、チャン監督は聴衆にそう語った。 チャン監督は中国吉林省出身の朝鮮族。カンヌ、釜山などの国際映画祭で受賞を重ね、近年は韓国を拠点に活動している。福岡国際映画祭には、2007年に初めて参加して以来、今年で7回目。「新作が完成するたびに呼んでもらっている」という常連だ。 長年の交流から、福岡での新作撮影の構想が固まると、映画祭スタッフだった西谷郁さんが日本側のプロデューサーに就任。福岡フ