新興国の発展が目覚しいとは言え、世界にはまだまだ開発途上国(LDC)が多くあるが、意外とLDCについて具体的なイメージを描く事は難しい。社会的、技術的に遅れて経済的に立ち遅れていると言うところまでは誰しも想像できるであろうが、それを打開する施策が実行できない理由は中々説明できない。ほとんどの人はLDCの政策担当者では無いから当然なのだが、なぜかLDCの中央銀行総裁になった日本人がいて、そのときの話を書き残しており、名著として知られている。それが「ルワンダ中央銀行総裁日誌」なのだが、実務者側から見た開発金融の話として貴重な文献だ。 1965年から1971年まで技術援助として国際通貨基金(IMF)からルワンダ中央銀行に総裁として派遣された日本銀行職員の服部正也氏の自伝的話で、増補版ではルワンダ紛争に関する服部氏の見解と、服部氏の日本銀行の後輩に当たる大西義久氏の解説がついている。生活環境の悪い
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