最近は鉄ちゃんが大流行だ。この間もテレビのニュースで、ある駅のホームにカメラを持った鉄ちゃんが群がり、大騒ぎをしていた。何でも、ある廃止になる電車の最終発車なのだそうで、全員がそれをカメラに収めようとして、駅員の頭が邪魔になるから「どけ!」と怒鳴っていた。 でも鉄ちゃんというのは、人が注目しないものをひそかに見る楽しみ、といったものがあったのではないだろうか。鉄道は移動に便利だから乗るものだけど、その便利さの陰に魅力が隠れている。機械の魅力、ダイヤの魅力、地図の魅力、といったものが気になり、無駄だと思いながら見ていくと、どんどん見えてくる。気がつくとそんな魅力部分を見ている人は誰もいない。自分一人が知って見ているということに、わくわくしてくる。ますますその魅力の奥地に分け入っていく。 想像力というのは孤独なもので、その孤独が奥地をめぐりながら、たまたま別の孤独と出合ったりする、ということは