「おたくのICチップを採用した病院の電子カルテ管理システムが、公立病院に採用された。ついては、ソースコードを開示してほしい」――今回、取材で“懸念”として上げられた一例である。 一時は、世間を大きく騒がせた中国政府によるITセキュリティ製品の強制認証制度。5月に中国政府が一年の実施延期と、適応範囲を政府調達に限ると発表した(関連記事)ことで、猶予期間ができたかに見える。なかには、威勢よく制度を掲げたものの、「反響の大きさに驚き、着地点として延期を発表したのではないか」「このまま実施自体もなし崩しになるのでは」との見方もある。こうした見方も出てきている今、あえて問題点を再確認し、日本のとるべき道を考えたい。 CCCとCCRA まずは、5月に実施予定だった「強制認証」制度の、何が問題なのかをあらためて見ていこう。2010年5月に政府調達に限って行なわれる強制認証も、内容に変更はない。 制度の対