新しい英国の最高裁判所になる建物=ロンドン、橋本写す 【ロンドン=橋本聡】英国に10月1日、最高裁判所が生まれる。「なぜ今ごろ」と不思議な気もするが、同国では600年あまり昔から議会上院が最高裁の働きも兼ねてきた。しかし、伝統より「三権分立」の徹底を求める声が高まり、審理をテレビ中継するなど一気に現代化する。 英国では中世から、議会が裁判の決着をつける舞台だった。貴族たちがメンバーの上院が最高裁の役割もはたし、一部の議員が判事役をつとめてきた。 歴史と伝統を大切にするお国柄とはいえ、立法と司法の区分けがはっきりしないのはおかしいという批判も根強くあり、03年、上院の「現代化」を唱える当時のブレア首相が改革に着手した。 新しい最高裁の判事は12人。10月に正式に任命されると議員職から離れる。国民に身近な司法をめざして、BBCなどテレビ局に審理を公開することも決まった。「最高裁の役割へ