雑誌ばなれに不景気が重なって、米国の音楽専門誌が軒並み急失速している。Rolling Stone、Spin、Vibe、Blenderのビッグ4のうち、4月にBlender、6月にVibeが廃刊になってしまった。特にクインシー・ジョーンズが設立したVibeは、R&B/ヒップホップ専門という明確なターゲティングに加えて内容も評価されていたため、その撤退の衝撃は音楽業界全体に及んだ。原因はVibeの武器であったターゲティングが、逆に災いしたと見られている。同誌の主な読者層である20代以下はすでに、ネットが当たり前の世代になり、有料の雑誌から音楽情報を得ようとは考えない。Vibeが考える以上に読者層と雑誌のギャップが広がっていた(オンライン版は継続する模様)。こうした傾向は、より高い年齢層に今後ひろがっていくだろう。このままでは、数年後にビッグ4すべてが消えてしまっても不思議ではない。 7月22日