日本人は毎日、1人当たり約6kgのCO2(二酸化炭素)を排出している。3600kgは、約1年半の排出量に相当する。 省エネ性能を売りにするエアコンに、なぜ、消費者が購入をためらうような情報を表示するのか。 ダイキンの岡田慎也・執行役員はこう語る。「ネガティブな情報を開示することで、今後エアコンを売りづらくなるのは事実だ。しかし、逃げずに問題を見据える必要がある」。 問題とは、家庭用エアコンが構造的に抱える「負」の側面のことだ。 家電リサイクル法の限界 エアコンを省エネ化するには大きく2つの方法がある。 まずは、コンプレッサーなど部品の消費電力を抑えること。しかし「こうした方法は長年の技術改良により、限界に近づきつつある」と日本冷凍空調工業会の岸本哲郎・専務理事は語る。 そこで各社が力を入れているのが、ヒートポンプ性能の向上だ。空気中の熱を有効活用することで、エネルギーの利用効率を高める技術