日本の現政権下では骨抜きになりつつある「天下り規制」。ここアメリカではどこが“天”か分からないほど、政・財・官・学の間を人がよく動く。いわゆる回転ドア(リボルビング・ドア)だ。 アメリカの回転ドアシステムの弊害を鋭く暴くドキュメンタリー映画「Inside Job(インサイド・ジョブ)」(日本公開は未定)が話題を集めている。アメリカでの公開は2010年10月8日。今年度のアカデミー賞ドキュメンタリー部門候補との呼び声も高い。 監督はリチャード・ファーガソン。米MIT(マサチューセッツ工科大学)で博士号を取得した後、政府でコンサルタントを務め、後に事業を起こし経済的に成功した人物である。政治・政府・民間をバランスよく知り尽くした異色の監督だ。 さらに、登場人物が凄い。実際のインタビューに答えるのが、著名投資家のジョージ・ソロス氏、IMF(国際通貨基金)のドミニク・ストロス・カーン専務理事、シン