小学校の国語教科書に、パロディについての井上ひさしのエッセイが載っていた。「弱いものであっても、パロディの持つ皮肉の力によって、強大なものの価値を転倒させたり、引きずりおとしたりできる」、──そういう論旨だったように思う。このように皮肉や諷刺をパロディの要点とみる捉えかたは、広く受けいれられたものといえよう。例えば、大辞林第二版によれば、「既成の著名な作品また他人の文体・韻律などの特色を一見してわかるように残したまま、全く違った内容を表現して、風刺・滑稽を感じさせるように作り変えた文学作品。日本の本歌取り・狂歌・替え歌などもその例。演劇・音楽・美術にも同様のことが見られる」という。しかし、この皮肉や諷刺といった要素が、パロディにとって本当に不可欠なのかどうか。この 点の批判的な検討から、多くのパロディ論は始まっている。 ■リンダ・ハッチオン『パロディの理論』(辻訳、未来社)isbn: 46
翻案、盗作、引用、模倣、創造 相生浩史「突発的小説講座・パクリ編」 芥川龍之介(1927、遺稿) 「闇中問答」 足立和浩『笑いのレクチュール』青土社, 1987 飯田譲治, 梓河人『盗作』(上),(下). 講談社, 2006.2.3 飯田譲治, 梓河人『盗作』(上),(下). 講談社, 2008 (講談社文庫) 池田満寿夫『模倣と創造 : 偏見のなかの日本現代美術』中央公論社, 1969 (中公新書 ; 197) 岩尾龍太郎『ロビンソン変形譚小史 : 物語の漂流』東京 : みすず書房, 2000.3 (みすずライブラリー) 宇波彰『引用の想像力』冬樹社, 1979 大上朝美「俳句の「類句」をめぐって : 車谷氏の「表明」受け議論に」 『朝日新聞』2004年3月11日(木)夕刊, p.14「単眼複眼」 大岡昇平「盗作の証明」『小説新潮』別冊 1979年春号 所収 大岡昇平「盗作の証明」『最
クリステヴァが「間テクスト性」(あるいは他の関連概念)についてふれているいくつかの重要な箇所を以下に列挙します。 テクストの概念 (...) それ故、テクストとは、端的な情報を目指す伝達的な言葉(パロル)を、先行の、もしくは共時的な、多種の言表類型と関連づけることによって、言語(ラング)の秩序を配分し直す超-言語的装置である、と定義しておく。したがって、テクストは一種の生産性なのである。その意味はこうである――(1) テクストが位置する場たる言語(ラング)と、テクストとの関係は分配替え(破壊=構築)的である。だから、純言語学的というよりもむしろ、論理学的・数学的なカテゴリーを通して、テクストに接近することができる。(2) テクストは諸種のテクストの相互置換であり、テクスト間相互関連性 [間テクスト性] (inter-textualitee)である。すなわち、一テクストの空間においては、他の
ジュリア・クリステヴァ(ユリア・クリステヴァ、Julia Kristeva / Юлия Кръстева、1941年6月24日[1] - )は、ブルガリア出身のフランスの文学理論家で、著述家、哲学者、精神分析家[1]。ユダヤ系の家庭に生まれた[2]。 人物[編集] 1965年、給費留学生としてパリに移住し[2]、リュシアン・ゴルドマンやロラン・バルトらの指導を受けた[1]。1973年からパリ第7大学(ドゥニ・ディドロ)の教授を務め[2][1]、現在は名誉教授。彼女の言語学や言語、間テクスト性に関する著作は、文学論雑誌『テル・ケル(Tel Quel)』の共同編集者としての活動を通して、ポスト構造主義的な議論をその特徴としている。彼女は、取り分けフロイトやラカンの精神分析、ロシア・フォルマリズム(彼女はその中で仲介者的な役割を演じていて、それによりミハイル・バフチンのフランスの知的シーンへの
この記事には参考文献や外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注による参照が不十分であるため、情報源が依然不明確です。適切な位置に脚注を追加して、記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年11月) 間テクスト性(かんテクストせい)は、テクストの意味を他のテクストとの関連によって見つけ出すことである。テクスト間相互関連性と訳されたり、英語からインターテクスチュアリティーと呼ばれたりすることもある。 ある著者が先行テクストから借用したり変形したりすることや、ある読者がテクストを読み取る際に別のテクストを参照したりすることをいう。但し「間テクスト性」という用語自体、ポスト構造主義者ジュリア・クリステヴァが1966年に作り出して以来、何度も借用され、変形されてきた。 批評家ウィリアム・アーウィンが言うように、この用語は使用者によって十人十色の意味を持って今日に至っており、クリステヴァの本来の見方
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