こうしたなか、円高基調の目先の反転を予想する専門家がいる。ワカバヤシエフエックスアソシエイツの代表取締役、若林栄四氏だ。邦銀の元外国為替ディーラーで、現在はストラテジストとして活躍する若林氏は、40年余り続く長期の円高局面は2012年2月に終了する、と明言する。 若林氏の持論は「外国為替は究極の相場(the ultimate market)」。ファンダメンタルズで説明がつかない相場という意味だ。「欧州危機などのニュースは理由づけに過ぎない」 すべてはデュレーション(期間)だという同氏が得意とするのが日柄分析だ。これは、フィボナッチ数列に代表される黄金分割の重要数字を根拠とする分析法。黄金分割を相場に適用する際、62や162といった数字が重要になると同氏はみている。 1971年8月の357円46銭を起点とする長期の円相場のチャートを精査すると、162カ月おきに相場の重要な転換点が現れると若林