カンボジア、アンコール遺跡で有名なシエムレアプから車で40分ほど走った村に、その「学校」はある。 週に3度、近所の小学校の授業が終わった後に、生徒たちが集まってくる。子どもたちに交じって大人の女性たちの姿も。国語と算数、美術の授業がある。カンボジアで典型的な、教師が一方的にレクチャーする形式ではない。4人で机を囲み、自分で、時に周りに質問もしながら課題に取り組む。教師は時々ヒントを出して、生徒が自分で考えるのを助ける。 青木健太さん(41)が率いる「SALASUSU」(クメール語で「学校、がんばって!」の意味)だ。この事業にたどりつくまで、20年以上かかった。 自分でやるより誰かを応援したい 東京・世田谷で生まれ育ち、父は銀行マンで母はピアノ教師。小学校から私立の一貫校。大学もそのまま行けた。だが、通い始めた塾が面白くて入り浸った。講師の永島孝嗣さんの授業は、「必死に考えさせる」もので、数