まもなく、ハーバードビジネススクール(HBS)は卒業のシーズンを迎える。学期末の最後の授業では、教授が特別なレクチャーをするという伝統がある。自身の経歴や過去の過ち、そこからのレッスン、そしてHBSから羽ばたく学生に対する熱いメッセージを伝えるのだ。生徒思いな教授が語る言葉は、胸にズシリとくるものばかり。今回はその一部をご紹介したい。 妻、パートナーの夢を尊重しなさい リーダーシップと組織行動学の授業は、私の印象に残っている授業のひとつだ。そこでは1学期を通じて「キワどい」判断が迫られる。 たとえば、途上国の発展に貢献したいと、事業をしている人のケース。現地政府の高官から賄賂を要求された場合に、「大事の前の小事」と割り切って応じるのか、それとも悪事は悪事と、きっぱり拒否すべきか。こうした、正しい答えのないケースがこの授業では次々と取り上げられ、私を含む生徒たちはその都度、激しく議論した。