過去、BSE(牛海綿状脳症)問題や中国毒入り餃子事件、菓子メーカーによる賞味期限の偽装、高級料亭の産地偽装などによって「食の安全」に対する信頼を揺るがされてきた食品業界。その都度、管理体制の見直しや安全対策が求められてきたが、今回も焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で出された「ユッケ」によって集団食中毒が発生し、4人の死者を出す事態に至った。なぜ、食品の安全性問題は後を絶たないのだろうか。食品問題評論家で消費者問題研究所代表の垣田達哉氏に、今回の食中毒事件の背景に隠された企業と行政の実態と今後それぞれに求められる対策について話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子) 起こるべくして起きた「ユッケ食中毒事件」 危険性を知りつつ法整備しなかった国の責任 ――これまで幾度となく食品の安全を揺るがす問題が起きてきたが、その教訓が活かされていないかのように、焼き肉チェーン店「焼肉酒家え