意欲や能力はあるのに、お金がないばかりに大学を中退する。そんな憂き目に遭う若者が多い。教育格差は貧富の差を広げ、世代を超えて連鎖する。高等教育の無償化をもっと真剣に考えるべきだ。 青色発光ダイオードの発明でノーベル物理学賞に決まった赤崎勇名城大終身教授ら三人は、信念を貫くことの大切さを口々に説く。だが、貧しい若者はその機会さえ奪われてしまっている。 文部科学省調査では、二〇一二年度の大学や短大などの中途退学者は七万九千人。このうち20%は経済的な理由だった。転学、就職に次ぐ三番目の割合だった前回の〇七年度調査より6ポイント余り増え、最多に躍り出た。