漫画家さいきまこさんの作品は、生活保護や貧困といった社会的な問題から起こる人間模様をリアルに描き出している。読者に「私にも起こるかもしれない」と切実な思いを抱かせる。最新刊『助け合いたい』のサブタイトルは、なんと「老後破綻の親、過労死ラインの子」である!! こんな作品を生み出すさいきさんとは、どんな人なのだろう? お話をうかがった。 『助け合いたい』©さいきまこ 秋田書店 2017年 生活保護への偏見は、私自身にもあった ──さいきさんは、家族の病気が原因で経済的に追い詰められた一家が生活保護によって暮らしを立て直すまでを描いたコミックス『陽のあたる家』(2013年、秋田書店)など、生活保護や貧困をテーマにした作品を連続して発表されています。こうした社会的な問題を漫画で描こうと思われたのには、何かきっかけがあったのでしょうか? 私は、新卒で入った会社を結婚退職して、フリーで雑誌編集などの仕