火星にかつて存在したとみられる大気が失われたのは、太陽から放出される「太陽風」と呼ばれる粒子によって吹き飛ばされたのが原因と考えられるとNASA=アメリカ航空宇宙局が発表し、火星が現在の姿になったメカニズムの解明につながる研究成果として注目されています。 火星は、およそ40億年前までは地球と同じように濃い大気に覆われて川や湖があったものの、その後、急激に環境が変わり、現在の姿になったと考えられています。 NASAは、火星の大気が失われた原因などを調べようと無人探査機「メイブン」で、現在の、極めて薄い大気を分析しました。その結果、太陽から放出される「太陽風」と呼ばれる粒子によって、火星の大気に含まれるイオンが宇宙に向けて吹き飛ばされていることが分かり、その量は1秒当たり、およそ10グラムになるということです。 太陽の活動が活発で太陽風が激しくなると、吹き飛ばされるイオンの量が大幅に増えるとい