僕はけっこうSFを読むのだが、それと同じぐらいにサイエンスノンフィクション(SNF)も好んで読む。もちろんそれは単純に僕がどちらも好きだからなのだけれども、SNFについてはハードなSFを読むように愉しんでいる側面があるように思う。 たとえば最先端のSNFは不確定な領域を扱うものが多く、宇宙論などは特にそうだが今はまだ実験不可能で、数学的な整合性だけで成立している推論も紹介されることがある。そこまでいくとキャラクターがいない以外は、もの凄くハードなサイエンスフィクションとそう変わらない──と、そう言い張ることができるし、まさにそういう理屈で、僕はサイエンスノンフィクションの多くをSFとして読んでいるのだ。 フィクション読者とノンフィクション読者の間には断絶があり、読書家であってもどちらかしか読まない場合が多いのではないか(これはただの感覚値だけれども)と僕は思っている。それは勿体無いなと思う