去年の10月、私が所属している 会社 の部署で、組み込みファームウェアの開発をC言語からC++に切り替えました。C++のクラス、リソースの自動クリーンアップ、パラメータ多相、そして強化された型安全性などは、汎用OSをデスクトップ機で稼働している時と同様、リアルタイムOS(RTOS)やベアメタル上でも便利です。C++を使えば、安全で表現豊かなファームウェアを書くことができます。 しかしC++のこの自動的な魔法は諸刃の剣とも言えます。いくつかの機能は、組み込み環境 ^(1) には搭載したくないシステムのファシリティに依存するからです。ツールチェーン周りをどうするかも厄介です。 memcpy やアトミック操作、ハードウェア固有の浮動小数点関数などの重要なファシリティが提供されるので、 libgcc と libstdc++ を完全に破棄するのではなく、特定の部分を避けて使わなくてはなりません。 こ
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