「思い付いたのは入社前。2011年ごろのことでした。趣味でパーツをちょこちょこ買っては、自宅で作っていたんです。時には、海外からパーツを輸入したりして。そのときは、これが仕事になるなんて思いもしなかった」――そう語るのは、浮遊球体ドローンディスプレイの開発者、NTTドコモ 先進技術研究所の山田渉さんだ。 浮遊球体ドローンディスプレイは、2017年4月にNTTドコモが発表した飛行型球体ディスプレイ。ドローンの周囲をLED付きフレームで覆い、そのフレームを空中で高速回転させると、光の残像によって文字や絵が映し出されるという仕組みだ。発表するやいなや大きな話題となり、発表直後に開催されたイベント「ニコニコ超会議2017」にも展示された。 NTTドコモの一大プロジェクトかと思いきや、実は1人の学生が趣味として自宅で始めたものだった。どのようにして、大企業を巻き込むプロジェクトになったのか。 個人の