新庄耕さんの長編小説『地面師たち』が発売されました。主人公は不動産売買を専門とする詐欺師「地面師」で、2017年の積水ハウス事件をモチーフとした小説です。組織的犯罪の圧倒的リアリティが話題を呼んでいます。 著者の新庄耕さんは、ブラック企業の不動産営業マンを描いたデビュー作『狭小邸宅』以降、マルチ商法についての『ニューカルマ』、大麻の売人の破滅を書いた『サーラレーオ』など、現代社会の「闇」を書き続けています。その作風の根幹にあるものを、新庄さんの来歴含め聞きました。 全宅ツイの強力なサポート ――新作『地面師たち』は、2017年に起きた積水ハウス事件で話題になり、現在も世間を騒がせる〈地面師〉を題材にした作品です。執筆にあたりどのような取材や準備をされたのですか? 地面師と取引をした人はもちろん、不動産関係者や、印刷会社、司法書士など、様々な方に取材をしました。また、過去の地面師事件の膨大な