"中華風"ファンタジイである。 "中華風"とはつまるところ、実際に中国だったりアジアのどこかだったりを舞台にしているわけではないということだ。その代わりに、その世界観設定に中国や日本の文化が反映されており、十二頭の竜がおさめる"天竜の帝国"が舞台になっている。 英語圏の人間によって書かれた(著者のアリソン・グッドマンはオーストラリアのメルボルン生まれ)中華風のファンタジイって、実際問題読む前は若干不安だったが……。たとえば、"龍"と"dragon"は、確かに意味的には同一だが、なんかニュアンスというか、雰囲気というか、そういうのが違うのではなかろうかと僕は思うわけである。我らが臥龍先生がCrouching Dragonと説明されると「いや、うーん、まあそうだが……どうだろうか?」となんともいえない気持ちになってくるし。 ただ、本書では世界観設定は物語に違和感なく融け込んでおり安心して読める
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