二日目のカレーはおいしいといわれるが、作り置きが原因の食中毒が各地で起きている。食品中で増えたウエルシュ菌によるものだ。厚生労働省によると、昨年の発生件数は三十一件(患者数千四百十一人)。この菌には熱に強いタイプもあり、「火を通したから安全」と考えるのは禁物だ。 (竹上順子) 今年三月、東京都世田谷区の幼稚園で昼食にカレーライスを食べた園児ら七十六人が、下痢や嘔吐(おうと)などの食中毒症状を訴えた。保健所によると、複数の患者の便からウエルシュ菌を検出。都福祉保健局によると、カレーは前日に園児らが調理し、一晩置かれたものだった。 ウエルシュ菌は人や動物の腸管、土壌、食品など自然界に広く分布。食品では特に肉に多く、菌が大量に増殖した状態で人が食べると小腸内でさらに増え、毒素を出して腹痛や下痢を引き起こす場合がある。潜伏期間は六~十八時間。症状は一~二日で回復するが、持病のある人などはまれに重症