ある日、ビデオの中から貞子が出てきた。とはいえ今はオンラインの時代だ。 貞子は小窓化したYoutube動画の中から姿を現した。 俺はとっさに一時停止ボタンを押し、貞子を止めてみた。 貞子は小窓から出てくる途中でフリーズ。 もしやと思いブラウザのタブを閉じてみると貞子は消えてしまった。 俺はタブを複製して貞子がどういう動きをするのか確認したくなった。 三枚のタブを開いてアクティブになっていない貞子はタブの隙間から滲み出るように実体化するようだった。 俺は貞子が取り憑いた動画をダウンロードすると、メディアプレイヤーを10個開いて均一に並べた。 そしてスクリプトで貞子動画を走らせる。再生はループに設定し、貞子が止まらないようにした。 結果的に10人の貞子が部屋を徘徊するようになった。 翌日、動画をすべて一時停止にした俺は、秋葉原にダイナモと鉛筆削りのようなローラー部品を買いあさりにでかけた。 そ