3.11の時、東京電力福島第一原発では炉心溶融、建屋爆発が連続発生し、事故はチェルノブイリ原発事故と同レベルの過酷事故と認定された。以後再稼働することなく廃炉作業が続けられている。廃炉作業にどれほどの歳月と費用が必要なのかもまだわからない。経産省は2016年に22兆円と計算したが、2019年には民間シンクタンクが最高81兆円の試算を示した。政府のこの種の試算はだいたい後になって大幅に上方修正されるのが通例であるから、いずれ81兆円を超えても私は驚かない。 日本列島は、全世界のマグニチュード6以上の地震の20%が周辺で発生する世界有数の地震多発地帯である。世界標準を超えるレベルの安全基準を採用するのが当然だと私は思うが、原発を建てた人たちはそうは思わなかったらしい。 東電の旧経営陣3人が業務上過失致死傷で起訴された裁判で、東京高裁は「巨大津波の襲来を予測することはできず、事故を回避するために