記事:白水社 日本の「近代化」と「豊かさ」をめぐる思索! 野原慎司著『戦後経済学史の群像 日本資本主義はいかに捉えられたか』(白水社刊)は、内田義彦、大河内一男、高島善哉、小林昇、水田洋、伊東光晴という戦後経済学の巨人に即し、社会科学が輝いた時代を解明する。 書籍情報はこちら マルクスが捉えた資本主義社会は、西欧とりわけイギリスをその十全な発展のモデルとしたものであり、日本における資本主義の現状にそのまま当てはまるかは疑義が残ることに気づいた知識人たちがいた。彼らは、日本における資本主義を改めて考えた。彼らが考え出した日本資本主義の段階的発展の理論は、マルクス・レーニンに影響されつつも、日本独自の理論展開であった。彼らの考えは論争となった。日本社会は、どのような資本主義社会であり、どのような段階にあるのかをめぐって、1920年代から30年代にかけて論争が交わされたのである。それが日本資本主
