米国では、企業のCEOが現場の従業員と過ごす時間は全体の6%に過ぎない。だが労働人口の7割は現場の従業員だ──米ビジネス誌「ファスト・カンパニー」(外部リンクに移動します)は、ハーバード・ビジネス・スクールの教授陣による研究の結果を2023年7月に報じた。 そんななか、いま企業のCEOが現場で従業員と共に働く時間を作る動きが起きている。特に米国ではコーヒーチェーン「スターバックス」やシェアライドサービス大手「ウーバー」をはじめ、最前線で袖をまくって働くCEOが増えている。 彼らの多くは現場の状況を観察したり、声を聞いたりすることで自社サービスの改善点が明確になったと口を揃える。彼らが現場で得たインサイトとは何だったのか。事例とともに考察していこう。 従業員のストレス源を見つけ出す 2023年3月にスターバックスの新CEOに就任したラクスマン・ナラシムハンは、月に1度、半日のシフトで店舗に出