公正取引委員会と経済産業省が、キャッシュレス決済サービスの手数料にメスを入れようとしている。国内加盟店が支払う決済手数料の引き下げを阻む要因とにらんでいるのが、日本の銀行やクレジットカードの国際ブランドが設定している業者間の手数料だ。 公取委はQRコード決済などを対象に、銀行が決済事業者から徴収する手数料の調査に乗り出す。一方、経産省はクレジットカード決済における業者間の手数料を公開するよう国際ブランド大手に求める方針を打ち出した。 どちらもキャッシュレス決済を導入した加盟店が支払う決済手数料を左右する最大のコストだと経産省などは分析している。費用構造を明らかにして、加盟店の手数料を引き下げ圧力にさらそうという狙いといえる。 QR決済、銀行手数料が最大のコスト 経産省の調べによると、2020年における日本のキャッシュレス決済の普及率は29.7%。ここ数年は上昇基調にあるが、普及率が94.7