何気ない雑談の中で「好きな芸能人は?」と訊かれた時、私は「それって女性ですか、男性ですか?」と訊き返す。そうしたらほぼ必ずこう答えが返ってくる。「そんなの男性に決まってるじゃん」。 そんなの男性に決まってる? 私はどんなに考えても、女性しか思い浮かばないのに。 世間一般では「好き」=「異性」というのが当たり前のように思われているけれど、 私は物心ついてからずっと、「大好き」と思う芸能人は常に女の子だった。 幼稚園の時、私は歌って踊れるSPEEDが大好きで、小学生の時はモーニング娘。と、あややが憧れだった(出ているCDはすべてレンタルしたし、歌番組はすべて録画して、振付を夢中で覚えた)。中学に上がると、映画をきっかけにYUIと蒼井優ちゃんに一目惚れして、それから数年間、彼女たちが出ているあらゆるテレビや雑誌や映画、作品に夢中になった。高校生になると、その当時愛読誌だった『non-no』に岸本