4月9日、両国国技館で開催された新日本プロレスのサクラ・ジェネシス* で、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカと柴田勝頼が壮絶な試合を繰り広げた。そして30分を超える打撃戦の末、観客が目にしたのは、プロレス史上最悪ともいえる事態だった。 * 新日本プロレスが主催するプロレス興行。 オカダの鋭いレインメーカー* を柴田がかわすと、相手を見据え、強烈なヘッドバットを繰り出した。そして、熟したメロンが床に落ちたような非常に不快な鈍い音が会場に響いた。オカダはリングに倒れ、その傍で柴田が呆然と立ち尽くしていた。汗に混じったひと筋の血が柴田の顔の真ん中を流れ落ちた。 * オカダの必殺技のひとつ。背後から対戦相手の右腕を左手で掴み、右腕を引っ張った勢いで、向かい合い、ラリアットの要領で相手の喉元に右腕を叩きつける技。 結局、試合は、大きな損傷もなくオカダが4度目の防衛に成功し、ヘッドバットを繰り返した