1989年,それはCommonLispを最新の世代の言語として磨きあげようと,米国では標準化のためのX3J13委員会があり,日本では当時の(社)電子協の中に委員会が作られ,日米でホットな活動が続けられた年だった。井田はそれらにいずれにも正式なメンバーあるいは委員長として関与していた。この活動は,単に標準化ではまったくなく,新しい時代のためにLisp言語の仕様をどのように発展させるかという研究上の多くの課題に取り組んだ活動でもあった。このため,当時の新進気鋭の研究者・開発者が集まり,明日の時代のために大きなうねりを作っていた。このことが正当な認識であるということは,今回の復刊が裏づけてくれるものと信じている。21年も前の技術書に対して,復刊の希望が根強く存在していたというのは驚くべきことであろう。著者らを代表して,この復刊を期待してくれた多数の方々ならびに出版社に感謝する次第である。 当時の