私が子供だったころ、「人間ってこんなおそろしいことをするのか」と教えてくれた人民寺院の集団自殺事件をモチーフにしたもの。1978年に起きたこの事件は、教祖ジム・ジョーンズが創設したアメリカのカルト教団で、共産主義に傾倒した挙句にガイアナのジャングルを開拓。信者がアメリカから続々と移住したが、いったん入った者は出ることを許されず、監禁状態に置かれたのだった。 事態を問題視した国会議員とマスコミ関係者ら視察団が、帰国希望者を募って飛行機で連れ出そうとしたが、もはや教祖ジョーンズの精神状態は破綻しており、被害妄想を募らせた結果、国会議員と報道関係者を殺害。「もう、別世界に旅立とう!」ということで、信者全員に毒入りジュースを飲ませ、嫌がる人間は射殺した。その結果、ジャングルに囲まれた共同体は、九百名もの死体で埋め尽くされたのだった……。