滋賀県では初めてとなる上水道が、来月1日から大津市の一部地域で開通するのを記念して、28日、開通を祝う式典が滋賀県庁前で執り行われた。滋賀県では長年、炊事洗濯の際、琵琶湖の水をそのまま汲(く)んで利用するのが一般的だったため、全国で最も遅い開通となった。 この日、大津市の県庁前には噂の水道水を一目見ようと、500人が殺到。式典に出席した嘉田由紀子県知事は「日本で初めて近代的な上水道設備が整ってから今年で125年。大変遅くなったが、湖国にもやっと文明開化の足音が聞こえるようになった」と述べ、上水道開通を祝った。 日本最大の湖である琵琶湖を擁する滋賀県では、古くから「水とは蛇口から出るものではなく、湖岸に汲みに行くもの」との認識が強く、今でも家事で必要な水を全て琵琶湖から汲みだしている家庭が大半を占める。また、1965年から始まった国の上水道整備事業でも、香川県など渇水の影響が深刻な瀬戸内地域